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ボククボのくよくよ日記

ボククボがくよくよしながら日々ちょっとずつ成長していく記録

物語以外で最も衝撃を受けた本 “貧困のない世界を創る” 紹介

お気に入りの物語を少し紹介してきましたが、物語以外の本も割と読みます。小説以外の本ってなんて言うんですかね?実用書?

ちょっと分かりませんが、とにかく小説以外でぼくが1番衝撃を受けた本を紹介します!

それは、“貧困のない世界を創る”です!

 

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すごくないですか?このタイトル。「貧困のない世界を創る」ですよ。どんだけ大それたタイトルだよって感じですよね。

これは、社会問題を解決するひとつの手段、「ソーシャルビジネス」について書かれた本です。ムハマド・ユヌスというバングラデシュの起業家が書きました。

 

ムハマド・ユヌスって誰?」

 

そう、この人は日本ではあまり知られていないのですが、実は2006年にノーベル平和賞を受賞し、当時はテレビのニュースとかでけっこう報道されていたんですよ。

端的に言うと、ユヌス氏はグラミン銀行という、貧しい人にお金を貸す銀行を創り、多くの貧しい人を救ったことの実績を買われ、ノーベル平和賞を受賞しました。

そのグラミン銀行に代表される「ソーシャルビジネス」という手法を彼は推進しており、「ソーシャルビジネスこそが世界の社会問題を全て完璧に解決するのだ」と言い切っています。そのソーシャルビジネスについて余す所無く書かれたのがこの本であり、読むと、いかにそれが優れた方法なのかが分かります。

せっかく優れた方法と人なのに、なぜか知名度が非常に低い……。というわけで、紹介してみます。

 

ソーシャルビジネスとは?

 ソーシャルビジネスとは、簡単に言うと、「ビジネスの手法を使って社会問題を解決する手段」のことです。

社会問題は長い間、行政のみが対応すべきものと考えられていました。ところが、行政だけでは決断が遅い、票が集まる問題にしか対応がなされない、などの欠点があり、社会問題の解決には効率が悪いことが分かりました。

そこでNPO法人が生まれ、行政よりも迅速に、そして小回りの聞くやり方もとられるようになりました。ところが、NPO法人にも問題がありました。それは、「活動の一部を寄付を募る事に費やさなければならず、しかも寄付が断たれると活動も止まってしまう」というものです。もちろん寄付の割合が少ないNPO法人もありますが、大半はその収益の大部分を寄付に依存しており、寄付頼みになってしまっているのです。

そこで考えられたのが、第三の方法、ソーシャルビジネスでした。これは「通常のビジネスの方法」を用いて、社会問題を解決するのです。たとえば綺麗な水が飲めない地域があれば、寄付で募ったお金で水を買い、それを与えるのではなく、水を低価格で「売る」のです。きちんと収益の出るビジネスになっているので、寄付に依存すること無く、貧しい人が無理なく水を手に入れることができます。

 

「貧しい人に無償の施しをするのではなく、ビジネスの相手として搾取するとは何事だ!」

 

こういうことを思った人もいるかもしれません。しかし、それは違うのです。貧しい人はただで施しをされてしまっても、ただ尊厳が失われるだけなのです。また、受け取るのが当たり前になってしまって自立しようとしないかもしれません。そのときだけは助かるかもしれませんが、根本的な解決にはならないのです。

「貧しい人には、施しではなく尊厳と自立を」。これがソーシャルビジネスの考え方です。

 

ムハマド・ユヌス

 この方法を、ムハマド・ユヌス氏はどうやって思いついたのでしょうか。そのためのエピソードを紹介します。

 

ユヌス氏は、バングラデシュのとある大学で経済学を教えていました。ところある日、未曾有の洪水災害が起き、バングラデシュの貧しい農村が破壊されてしまいます。

「こんな部屋の中で教えている経済学は人を救わないじゃないか」

そう思ったユヌス氏は、災害が起きて数ヶ月後、貧しい農村に実際に行きました。そこで出会った人々はずっと貧しい生活をしており、いくら働いても生活が良くならないようでした。

「どうしてこんなに働いているのに生活がよくならないのか」と聞いてみると、高利貸しの人にとんでもない高利率で金を貸されているため、いくら返済しても借金を返済しきれないとのことでした。

一体どれくらいお金を借りているのだろうと思い調べてみると、なんと42世帯合わせて、たった1人の高利貸しから合計27ドル(約3000円)を借りているだけだというのです。ユヌス氏はポケットに入っていた27ドルを取り出し、「これをやるから女性達を解放してくれ」と高利貸しに言い、42人の女性達を救いました。

 

「たったこれだけのお金でこれほど多くの人が救えるなら、やらないわけにはいかないではないか」そう思ったユヌス氏は、高利貸しの代わりに、女性達に低金利でお金を貸してみることにしたのです。「そんなことをしても、貧しい人がお金を返すわけないよ」と人々からは馬鹿にされましたが、驚くべきことに、返済日が来るとお金を借りた人全員が、全額をきちんと返したのです。

「貧しい人が借りたお金を返さないというのは偏見だ」と気づいたユヌス氏は、これをどんどんやっていこうと決意しました。

そして数年後、“貧者のための銀行”「グラミン銀行」を設立し、今や何百万と言う貧しい人々を救っているのです。

 

このグラミン銀行のすごいところは、貧しい人にお金を「あげる」のではなく「貸す」という選択をしたことでした。よく「募金をお願いします」と言われ、その度にぼくたちは複雑な気持ちになりますが、あげるのではなく貸すというのは斬新ですよね。

寄付に依存しないのでグラミン銀行はどんどん大きくなり、結果的に無償で人を助ける組織よりも多くの人を救っているのです。

 

ぼくはこの本を読んで、かつてない程の衝撃を受けました。「多くの人を助けるためには、どれだけ寄付を得られるかだよな…どうしよう…」とか考えていたので、「寄付じゃなくてビジネスで人を助けるなんて!」というのはまさに目からウロコだったのです。何の知識もないのに単純かもしれませんが、「これなら確かに多くの人を救える」と思いました。

ぼくのその時のワクワク具合は尋常ではありませんでした。常に心が躍動し、なんとそれまで2年間苦しんできた病気の痛みが1ヶ月なくなったほどです(本当です)。

まだ少ししかこうした本を読んでいないので、これからまた別の知識を得れば変わる可能性はありますが、今のところ、ぼくは将来はこのソーシャルビジネスをやりたいと思っています。

ただ、普通のビジネスでも難しいのに、貧しい人を相手にするには商品を低価格にしなければならないなど、ソーシャルビジネスは相当難しいそうです。人並みのこともできないのに、本当にできるのだろうか…という不安はありますが、そこはなんとか頑張るしかないかなぁ、と思っています。

 

貧困のない世界

最後に、ユヌス氏が夢見る世界、「貧困のない世界」について、本書の最後に触れられているので紹介します。この本の良い所は、内容だけでなくその語り方に説得力があるところです。どうか読んでみてください。思わず鳥肌がたつ筈です。

 

貧困のなき世界。それはどんなものなのだろうか?それは本当に機能するのだろうか?

私は、貧困のない世界というのは、あらゆる人が生活に最低限必要なものを自分で手に入れる能力を持つ世の中を意味するのだと考えている。そんな世界では、飢えて死んだり、栄養失調に悩まされる人は誰もいないはずだ。

貧困のない世界が実現すれば、地球上のあらゆる場所にいるすべての人間が、教育や健康管理サービスを利用できるようになるはずだ。

慈善事業に頼って生きる人が誰もいなくなるから、国家に寄って運営される安全ネット敵なプログラムは存在理由がなくなってしまう。国家による社会保障プログラムや収入補助プログラムも不要になるだろう。

そして、貧困のない世界は、経済的にも今の状態よりずっと強固で、はるかに安定しているに違いない。
今日、ひどい貧困生活を強いられている世界の五分の一の人々は、収入を得て、収入を使う人になるだろう。彼らは市場に新たな需要を生み山車、世界経済を成長させることだろう。

社会の底辺にいる人々と、最高レベルの収入を得ている人々との生活様式の違いは依然として残るに違いない。しかし、それは中流階級と上流階級の違い程度のものでしかないはずだ。

私たちは本当に貧困なき世界を作り上げることができるのだろうか?飢えや、読み書きのできない人や、裸足の人々のいない世界を?

そう、私たちにはできる。“独立”国家を創ったように、あるいは“民主主義”政治システムや“自由”市場経済を作ったのと同じ方法で。

貧困なき世界も、完全なものではないかもしれない。しかしそれは最も理想に近い、最高の世界に違いないのだ。

私たちはこれまで、奴隷制度のない世界、ポリオのない世界、アパルトヘイトのない世界を作り出して来た。そういったこれまで達成してきたことをより強化しながら、貧困なき世界を作り出すのは、さらに偉大なことであるはずだ。貧困なこ世界は、そこに生きるすべての人々が誇りを持てる世界になるだろう。